清田ダイアリー KIYOTA DIARY
サプリメントとしても注目。スパイスで健康と美容を
食のトレンドが映し出す生活者マインドと時代の空気
2019年08月01日
花椒(ホアジャオ)の ”シビレ” や、 ”大阪スパイスカレー” がブームになるなど、スパイスが脚光を浴び、家庭用、業務用ともに市場は拡大傾向にある中、スパイスが持つ健康・美容効果に着目した「スパイスサプリ」とも言える商品が登場しています。
加えて最近は、スパイスの抗菌作用も注目されています。数種類のスパイスを組み合わせて使用することで、味に深みが出るだけでなく、化学的な食品添加物に頼ることなく食品の品質を維持できるといいます。
ヘルシー志向、安全安心志向が強まる中、スパイスの活躍の場はますます広がりそうです。
米国で人気のターメリックラテが上陸
肝臓の働きを助けると言われているターメリック(=ウコン)。それ以外にも、美肌や代謝促進などの作用があると、最近米国で注目され、スーパーフードのひとつになっています。そのターメリックを使ったラテが、日本に上陸。液色がインスタ映えする黄金色であることから ”ゴールデンミルク” とも呼ばれ、美容系ドリンクとして注目されています。

「イーグル製菓」は、ホワイトチョコレートに、ターメリック、カルダモン、シナモン、ブラックペッパー、ジンジャーを混ぜ込み、鮮やかな黄色のひと口タイプの板チョコに仕上げました。そのまま食べれば、口いっぱいにミルクのコクとスパイスの風味が重なり合ったエキゾチックな味わいが広がり、温めた牛乳に溶かせば、ターメリックラテとしても楽しめます。


手軽にスパイスが摂れる加工品が続々登場
「エスビー食品」は早くからスパイスが持つ機能性に着目。いつでもどこでも手軽にスパイスを摂ることができる、チュアブルタイプのタブレット「NEOスパイス」を、昨年2月に発売しています。 ”ヒハツ&シナモン” と ”ブラックジンジャー” の2品で、それぞれ、「血流をよくして冷えを改善し、新陳代謝をアップさせる」「滋養強壮、脂肪燃焼効果がある」とされるスパイスが配合されています。

また「ハチ食品」からは、体にうれしい成分をプラスしたパウダータイプのスパイス ”カラダにSPICE” が発売されています。ラインアップは、 ”シナモン” ”ジンジャー” ”ターメリック” の3種類。いつもの料理や飲み物に加えるだけで、アレンジを楽しみながら栄養成分が簡単に摂れることをアピールしています。
さらに「三菱食品」は、仕事をする女性の美容と健康をサポートする ”ROYAL BEAUTY (ロイヤルビューティ)シリーズ” から ”ウコングミ” を発売しました。一般的なウコンドリンク1本分に相当する30mgのクルクミンを3粒で摂取できます。「人前でウコンドリンクを飲むのは恥ずかしい」という女性の声に応えて開発されました。
スパイス売り場に新しい展開が
「伊藤忠食品」はヘルス&ビューティー事業の今期重点戦略として、 ”スパイス&ハーブ” や ”ウェルネスショット” といった新機軸を掲げています。このうち ”スパイス&ハーブ” は、「未病」をテーマに売り場の活性化を訴求。美容や薬効などの側面から調達したアイテムを提案し、NB主体の売り場に変化をつける試みを始めています。
昨今、花椒人気によって ”マー活” がブームになるなど、スパイスは、仕掛け次第では爆発力を秘めたカテゴリーになると判断。アンチエイジングなど多様な効果を持つ最新注目のスパイスのほか、普段の食事から病気を予防できる「和漢洋ハーブ」といった新たなジャンルの提案に力を入れます。
また同社は、米国で女性を中心にブームになっている ”ウェルネスショット” も提案しています。これは、ターメリックやジンジャーなどのスパイスをベースに、スピルリナなどの美容・栄養系成分を混合した、50ml程度の手軽に飲める小容量ドリンクです。同社は、エナジードリンクに続く栄養系ドリンクの新たなカテゴリーと位置付け、提案を強化する計画です。

カレー粉のスパイスに炎症反応抑制効果
東洋医学では古くから珍重されてきたスパイスですが、その薬効に、改めて注目している企業もあります。
「ハウス食品」は、京都大学高野教授との共同研究で、カレー粉およびカレー粉に含まれる4種類のスパイス(クローブ、ウコン、シナモン、コリアンダー)に、PM2.5による炎症反応を抑える効果があることを確認しました。
これは、カレー摂取頻度の高い高齢者は呼吸機能が良好に保たれているという疫学研究の結果に着目したもので、カレー粉とカレー粉に用いられるさまざまなスパイスについて、PM2.5による炎症反応を抑制する効果があるかを検証。その結果、クローブ、ウコン、シナモン、コリアンダーの抽出物でその効果が見られたといいます。

抗菌剤の代用としても注目
一方スパイスは、化学的に合成された食品添加物に代わる ”自然の抗菌剤” としても注目され始めています。
徳島大学の金丸准教授が食品の抗菌力について調べた研究によると、強い抗菌作用が確認できたものとして、わさび、クローブ、シナモン、にんにくを。一定の抗菌作用が認められたものとして、オレガノ、辛子、クミン、セージ、ローズマリー、ローリエなどを挙げています。
これらのスパイスやハーブで抗菌作用を得るためには、ある程度の量を使うことが必要ですが、1種類を大量に使うのではなく、数種類を組み合わせて使えば、味に深みが出ておいしさも両立できるうえ、抗菌力の相乗効果も期待できるといいます。
付加価値の高い
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清田産業では、メニュー、レシピ、調理方法、試作など、ご提案から開発までワンストップで対応します。豊富な経験と研究開発実績から、付加価値の高い製品開発を実現します。
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この記事を書いた方
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株式会社ひめこカンパニー代表取締役女子栄養大学客員教授山下智子
加工食品や飲料の商品開発、コンビニやデパ地下の惣菜開発、飲食店のトータルプロデュース、スーパーマーケットの戦略作り等、食業界および流通業界全般に渡り幅広く活動。外食、中食、内食、そのすべてを網羅する広いビジネス範囲は業界屈指です。1アカウント3,300円で購読できる「食のトレンド情報Web」を配信。毎春、その年の食市場のトレンドをまとめた相関図を公表、講演をしています。
http://himeko.co.jp/