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清田ダイアリー KIYOTA DIARY

トルコ料理の魅力

歴史ある人気料理の数々

太木光一
食品評論家 太木光一

2019年10月01日

トルコ料理の魅力

 日本の東京と京都のように、旧都を持つトルコ。現在はアンカラが首都だが、旧都イスタンブールの歴史は長く、今でもイスタンブールを首都だと認知している人も多いのではないだろうか。今回はそんな歴史あるトルコ料理の魅力に迫る。

トルコ料理とは

 トルコ料理はフランス料理、中国料理とならぶ世界三大料理の一つと呼ばれている。すばらしい味とバラエティの多さを誇っている。

 歴史的にも古く、ギリシャ、アラブ中央アジアなどの素材の味も生かされている。

トルコの作物の家畜・漁業について

 トルコの国土は日本の2倍以上と広く、気候と産物は地方によって大差があり、素材の多様さの理由となっている。西部のマルマラ海やエーゲ海などの地方は、夏場高温で乾燥し、冬場は暖かくて雨が多い。このためオレンジ、オリーブ、いちじく、ぶどうなどが多産される。

 北部、黒海の地方は冬の寒さもおだやかで世界的に高品質な紅茶、煙草、ピスタチオなどのナッツ類、レンズ豆、小麦、マロングラッセ用の栗などを多産する。

 内陸部は寒暖の差が激しく空気も乾燥し、牧畜業が盛んである。羊と山羊が多く、羊乳の生産量は世界一。エディルネ、ヤベースは羊乳からの軟質チーズ、カシャール、ツルムは半硬質チーズ。これら白チーズはアッサリして味もよく日常の生活に欠かせない。

 また黒海、マルマラ海、エーゲ海に接するトルコは大水産国で、人々は海鮮料理が大好物。高鮮度の味を堪能、価格も驚く程安い。

 料理をみれば、スープをトルコ語でチョルバと呼ぶが、赤レンズ豆スープを始め、米とトマト、セモリナ、ヨーグルト、魚、牛の胃袋スープほか。胃袋スープは仔牛の胃袋をよく洗い、薄切りか角切りにしてよく煮込む。にんにく溶かしバター、赤唐子を加えて味を調える。国民の好物メニューである。

トルコ料理の前菜(メゼ)

 前菜料理をメゼと呼ぶが、ボリュームとバラエティの豊富さは驚くばかり。日本人はこのメゼだけで満足する。大別すると冷たいメゼと暖かいメゼに分かれる。前者にはナスのピューレ、ソースに浸した豆の冷製、羊乳の白チーズ、子羊の脳など、有名なドルマもこの一つである。ドルマは中近東諸国でも広く愛好され、ピーマン、トマト、ズッキーニ、ぶどうの葉に、挽き肉や米、玉ねぎなどをディルやミント、塩で調味したものである。

 暖かいメゼは揚げたてのナス、ズッキーニ、ムール貝、鶏肉など。小麦粉を薄く皮状にして肉やチーズも詰めて焼いたポレックも人気がある。

 また野菜のおいしいトルコではサラダ料理も忘れられない。豆サラダを始めナス、トマト、ビーツ、人参、ズッキーニなど、これにヨーグルトをかけると一段と美味となる。

トルコの肉料理

ケバブ

 肉料理の圧巻はキョフテとケバブ。キョフテはマトンやラムの挽き肉を多く使うが、牛や鶏肉の挽き肉を使うこともある。チーズや玉ねぎをミートボール状にまとめて揚げたり焼いたりして食べる。ケバブはトルコの名物料理でマトンかラムが中心。焦げないように一時間半もかけて、くるくると回しながら焼く。焼く前にマトンをハーブ入りのオリーブ油で漬け込むと臭いもぬけ一段とおいしさを増す。このケバブの種類も数十種と多い。町のロカンタ(トルコ風レストラン)で楽しめる。

 ケバブなしにトルコの食生活は考えられないが、マトンの薄切れを円筒状になる様に重ね、縦に吊るして回しながら焼く。これがドネルケバブで愛好者は多い。

トルコの魚料理

 肉料理と双璧なのが魚料理。海鮮専門のロカンタで、ロースト、フライ、塩焼きと注文すればよい。鯛のソース焼き、すずきの白ワイン煮、鯖フライほか数十種、何れも期待の味で、信じられない安さである。

トルコの米

 トルコの米は良質でピラフにすると最高。このピラフもバラエティが多い。バターピラフ、これにラムと松の実を加えたアリ・バシャ・ピラフやナッツとサフラン入りのイスタンブールピラフを始め、ナスピラフ、トマトピラフほか数十種、まさにピラフの原点である。

トルコ料理への期待

豆のスープ

 トルコの食はあまり知られていないが、豊かな食材とバラエティの広い料理、季節感のあられた食品で、ファンを拡大している。欧米料理や東アジア料理はもう開発ずみ、新しい発見はトルコからとなりそうである。

 期待されるアイテムをみるとスープ(チョルバ)、赤レンズ豆スープ、セモリナスープ、ヨーグルトスープ、米とトマトスープ、魚スープ、農家のスープほか前菜(メゼ)、冷たいメゼ、なすのピューレソース漬け、羊乳の白チーズほか。

サラダ

 タラモ(ポテトとたらこ)、豆サラダ、なす、トマト、ビーツのヨーグルトがけ。

肉料理

 キョフテはマトンやラムの挽き肉の肉だんごにして揚げる、又は焼く。

魚料理

 海老の串焼、鯛のソース煮、鯖フライ、鰯のふとう葉巻、ぼらのゆで煮、ムール貝の香味焼、すずきの白ワイン煮。

さいごに

 トルコの食材のバラエティと優れた点はあまりよく知られていないが、世界に冠たる料理天国なのである。安健バラエティの多さをトルコに来て知ることが出来よう。そしてテサートがよく、ワイン・コーヒー紅茶も絶品。世界に冠たる料理天国である。

この記事を書いた方

太木光一

この記事を書いた方

食品評論家太木光一

1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。