清田ダイアリー KIYOTA DIARY
南アメリカの新食材
2002年に注目されていた新食材8種
2018年04月02日
今回は、2002年当時注目されていた南アメリカの新食材にフォーカスした。今では当たり前にあるスーパーフードも当時は新鮮に感じられ、浸透したものとそうでないものが分かる。
南アメリカの新食材
21世紀に入って、食材の面もグローバル化が一段と加速してきた。新しい南アメリカの食材が急激にふえ仲間入りしてきた。この代表品目を8種紹介しよう。
アマランサス
ヒユ科の一年生植物でアンデス山脈が原産地。14世紀ごろにはアステカ王の年貢として納められていた。現在では広くインドやアフリカでも栽培されている。 葉は青葉として、ホウレン草に似て美味。お浸しや妙め物に。歯触りもよい。
種子は米と同様、炒めて食べる。粉にしてパンや菓子にも利用。栄養成分に優れ、トマトと対比しても、カロチンと鉄は10倍、カルシウムは40倍、ビタミンCは3倍と多い。スーパーグレーン(驚異の穀物)の異名を持つ。アマランサス・ビスケット、アマランサス・ビネガー、アマランサス納豆などに加工。優れた健康食品として高い注目を集め、今後も成長期待大。
キヌア
アンデス一帯が原産地。紀元前から栽培されてきた。耐寒性も抜群に強い。ホウレン草と同じアカザ科。種子は食用に。でん粉と蛋白質が多い。ヒエよりも成分に優れ、カルシウム・鉄・蛋白質が多く、繊維にも恵まれている。このため健食店でも販売中。
日本でもキヌアご飯(白米混合)、キヌアクッキー、キヌアパンなどに利用。アトピーや高血圧予防に効果的とされる。パンやクッキーに加えるとボソボソ感もへり、おいしくなる。これからもキヌアの利用は拡大期待である。
ヤーコーン
アンデス山脈原産のキク科の根菜。インカ時代から栽培されていた。根の形状はサツマイモ、味はシャキシャキと梨に近い。オリゴ糖の含有は世界一。食物繊維も多く、カロリーは 100グラム当たり54キロカロリー。
その他カルシウム、マグネシウム、鉄分も豊富。カテキン、ポリフェノールにも恵まれ老化を促進させる活性酸素の発生を抑える。血管壁を強化し糖値を下げる。
特にフラクトオリゴ糖は10%含有し、腸内ビフィズス菌などの善玉菌を増加させ、便通をよくする。いくら食べても血糖値は上がらず、審唐尿病患者の甘味料にも適している。また茎と葉は薬茶として利用。有効な生理性物質を含む。
カムカム
ペルーアマゾン一帯、特に標高2,000メートル付近の河岸・湖岸・湿原に多くみられる灌木でフトモモ科、グアバの仲間である。直径2センチほどの赤い実をつけ、あらゆる植物の中でビタミンCの含有は最高。
100グラム中のビタミンCの含有は2,800ミリグラムで、アセロラ1300、レモン44、イチゴ41(何れもミリグラム)と対比して驚かされる。
またクエン酸も多く含んでいるので、飲み物に使う場合、クエン酸を必要としない。他にビタミンB1・B2・ナイアシンも多く、自然食品として優れた果物とよべよう。
ビタミンCの効用をみれば、血中コレステロールの減少、貧血予防、老化予防ほか。またカムカムはアイスクリームやジャムの加工にも適している。
マカ
ペルーで広くマカとよばれているものは100種。しかし生育されているものは11種である。アブラナ科の植物で、花形はバラに似ている。直根と雁軸が地下面の貯蔵機能で、これを食用とする。
成分に優れアルカロイド、アンシアニン、サポニン、ステロイド、デキストリンなど。インカ時代には特権階級の食物とされた。効用としてストレスと疲労を減らし、集中力と記憶力を向上させる。エネルギー源、活力源として認められている。
ルクマ
ペルー原産、別名はエッグ・フルーツ。インカ時代から人々の栄養源として親しまれた。皮は深緑で果肉は黄色。中に大きな種子があり、熟してくると皮に飯ができる。
果肉は甘く香りは高い。メープルシロップのような香りで、ケーキのような食感がある。酸味が少なく、アイスクリーム、プリン、パイ、クッキーなどに利用されよう。鉄分を始め、各種ミネラル、ナイアシンなどを含み栄養価の高いフルーツとして注目されている。
アンデスポテト
南アメリカはポテトの原産地。標高2,500メートルで穫れるポテトはピンポン玉の大きさ。鮮やかな黄色で、きめが細かく卵黄に似た味わい。ホクホクとして量産のポテトとは大差。オードブルやシチューなどに利用。その他温野菜のサラダ、甘辛味噌煮、グラタンなどに。皮もむかずにそのまま料理に。ポテトがこんなに美味しいものかを教えてくれる。日本の販売価格は1キロ1,000円。このほか、瓶詰、缶詰もみられる。
サルサ(ソース)
世界一辛いのがこのコロンビアのハバネロサルサ。ほんの1滴で料理は激辛と変わる。原産地はメキシコであるがコロンビアで量産に成功。ペルーの唐辛子はアヒ・アマリージョ、アヒ・ミラソル、アヒ・リモほか。特にアマリージョはマイルドであるがリモは激辛。料理のアクセントに何れも欠かせない。
まとめ
南米の味がいよいよ到来。未知の食材が多いが、それだけ豊かで、バラエティが多くなり楽しい食卓となるものと思われる。
付加価値の高い
食品・製品を開発します
清田産業では、メニュー、レシピ、調理方法、試作など、ご提案から開発までワンストップで対応します。豊富な経験と研究開発実績から、付加価値の高い製品開発を実現します。
-
全国屈指の取扱原材料
10,000種類以上 -
多角的な視点からの
課題解決 -
掛け算のアイデアと
開発力
お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。