清田ダイアリー KIYOTA DIARY
ヨルダンの味
魅力的なアラビア料理の数々
2018年11月01日
ヨルダンをはじめとしたアラブ地域では、アラビア料理が主流である。今回は様々なアラビア料理を紹介する。
はじめに
今次のイラク戦争で隣国として注目されたのはヨルダンである。この国の歴史は非常に古く、ハヒロニア、ペルシア、ローマなどの国々に支配された。16世紀にはオスマン帝国と変わり20世紀初めまで続いた。
1918年オスマン、トルコからの解放に成功し、この時に活躍したのがアラビアのロレンスこと、アラブ民族独立に尽力した実在のイギリス陸軍将校、T・Eロレンスである。そして1946年、イギリスより独立し、ヨルダン王国が誕生した。首都はアンマン、人口は530万人、特に死侮は有名で、地球上最も侮抜の低い湖(マイナス400メートル)で、しかも塩分は海水の8倍と高く、広さは琵琶湖の15倍と大きい。このヨルダン川でキリストも洗礼されている。
主要言語はアラビア語でアラビア料理が主流である。このアラビア料理は世界で最も洗練された料理の一つで中々の美味である。
ここからはアラビア料理の中でも代表的なものをいくつか紹介する。
食前酒
食前酒のアラックはヨルダンのローカルリキュールで、ギリシャの名物のウゾに似ている。水と氷で割って飲むのが一般的である。
前菜とパン
前菜はメッゼとよばれているが、数十種もあり食の豊かさを示している。
パン
ホブスは食事には必ず用意されるアラビア式のパンで、どの料理にもよく合う。円型で薄く、他のメッゼをはさんだり、上にのせたりして食べる。

材料
・小麦粉(強力粉) 500グラム
・ドライイースト 大さじ1
・塩 小さじ1/2
・サラダ油 大さじ1と1/2
・ぬるま湯 1/2カップ
手順
1 小麦粉に塩を加えよくふるう。
2 その他の材料を1に加え、全体に滑らかに弾力が出るまでこねて、約1時間醗酵させる。
3 パン種を18個に小さく切り分け、それぞれ丸めて麺棒で楕円形に延ばす。
4 500度に熱した釜で約10分焼く。
5 18枚出来る。
そのほか、スフィーハというヨルダン式調理パンがある。
前菜
〔クノペ〕アラビア式コロッケ
〔ホンモス〕アラビア式ディップ
〔ラウァナ〕ヨーグルトのディップ
材料
・市販ヨーグルト (500cc)5カートン
・クリームチーズ 1/2箱
・にんにく 3片
・塩 適量
・飾り用ミントの葉 数枚
・オリーブオイル 大さじ1
手順
1 ヨーグルトを布袋に入れ一晩つるして水分を抜く
2 にんにくを潰して塩を加え、クリームチーズとヨーグルトを合わせ、なめらかなクリーム状になるまでよく混ぜ合わせる。
3 皿に盛り付け、飾りにミントの葉をのせ、好みで適量のオリーブオイルを回しかける。
〔マンサフ〕ヨルダンの名物料理でヘドウィンのごちそうとして知られている。地元の人々は手づかみて食べている。羊肉をヨーグルトで煮込み、ご飯とナッツをまぜたもの。本来は羊肉を大皿にのせた、もてなし料理。
この他メッザの人気者として下記のようなものがある。
・ワラカアナフ ぶどうの葉づつみ
・ムノタハル なすのディップ
・シフネウェータ 羊のチーズ
・クッヘマクリーエ 肉と麦のペーストにスパイスと王ねぎをまぜ、ボール状にまとめて揚げたもの
・ハハカンヌーシュ 調理された茄子とごまのペースト
・スープ モロヘイヤスープが高人気
メインディッシュ

メインディッシュではケバブ、炭火焼の串焼きがある。種類として、骨なしチキン、骨なし羊肉又は牛肉、香辛料の挽羊肉など。
その他ダシャージ、ホフスとサラダと共に出されるローストチキンや、魚料理は、ヨルダンでは稀であるが、レモンソースで煮込んだ鰯料理がある。
チキンケバブ
材料
・角切りチキン 1キログラム(ラム肉の場合も同じ)
・レモン汁 大さじ3
・ブラックペッパー 適量
・カルダモン 小さじ1/2
・オールスパイス 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ2〜3
・にんにく(薄切り) 大さじ1〜2
・塩 少々
皿に千切りのレタス又はアラビックスパイス(スンマ)をふりかけ、薄切り王ねぎを敷き詰め、その上にケバブを盛り付ける。
デザート

デザートは見事で全国民甘党である。
・ハクラーヘ 甘いシロップ中の中にナッツと共に焼いた菓子
・カナーフェ 人気のあるナッツと山羊チーズでシロップで焼いた菓子
・カターフェ ラマタンの菓子。小さなパンケーキにナッツやチーズをはさみ揚げたもの
・マームール ナッツとなつめやしの実をローズウォーターで生地と合わせた焼き菓子
・モハンラビヤ ローズまたはオレンシウォーターでつくったミルクプリン ほか数種。
そしてコーヒー(アファ)と紅茶(シャイ)が美味。コーヒーは小カップにカルダモンを。最後まで飲み干さず沈殿したかすを残すこと。
さいごに
ヨルダンは良く知られていないが美味の国と呼ぶことができよう。すばらしい国である。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。