清田ダイアリー KIYOTA DIARY
カナダの味
新鮮な食材とカジュアルな食事
2021年02月01日
国土の広いカナダでは地域によってとれるものも多様。移民大国で食材の多さはもちろん、多国籍料理のお店が目立つ。今回はカナダでとれる様々な食材と、一般的な食事について紹介する。
カナダについて
国名のカナタはインディアンのカナッタ(小屋の集落)に由来する。16世紀にこの地に来たフランス人ジャック・カルティエはカナッタという言葉を地名と思い込んでカナダと呼ばれるようになった。
北アメリカ大陸の北部に位置し、東は大西洋、西は太平洋、北は北極海に、南はアメリカに接している。面積は998万平方キロで日本の約26倍、世界第二の広い国である。人口は3,705万人強(2022年)、首都はオタワである。
民族構成はイギリス系40%、フランス系27%、ヨーロッパ系20%、主要言語は英語とフランス語で、何れも公用語である。通貨はカナダドル、元首はエリザベス2世でイギリスの女王である。
カナダの産業

自然環境では東部にラブラドル半島がありラブラドル高原が広がる。 西部にロッキー山脈が南北に走る。中央部はカナダ楯状地が広がり大平原となっている。中央平原の南部は小麦栽培と牧畜が盛んで、森林資源、石油、石炭などの鉱産物に恵まれている。製紙、パルプ、アルミ、自動車などの工業も盛ん。
カナダの農林水産物
水産物では太平洋、大西洋の海域で鮭、鱈、カニ、エビ(オマール、甘エビ)、貝類などがよく獲れ、味の点でも優れている。対日輸出も盛んである。
農産物でカナダ小麦はたん白質が多く最高のパンが作られている。主としてマニトバ・サスカッチャン、アルバータ州産の小麦である。
菜種、大豆など油糧原料も積極的に増産され、菜種油はカローラ油として高品質、対日輸出の拡大が進む。その他フルーベリー、メープルシロップ、ワイルドライス(野生の米)も特産品として有名である。
豊穣の国カナダはカナディアンウィスキーの銘品が多く、シーグラム、クラウンローヤルを始め、シーグラムVO、カナダハウス、カナディアンマスターピース、ウィンザーシュプリームなどと有名銘柄が多い。傾向としてライトタイプである。
ビールの生産量は世界8位にあり銘柄としてラバットSO、ラバットブルーほか。ワインもオンタリオ・ケベック州ほかで良質のワインの産出がみられ、一部は日本に輸出。特にカナダの誇るアイテムとして、厳冬期深夜に手摘みされたぶどうから造られるワイン(アイスワイン)と、流氷から流れ出た水から造るビールはカナダ政府の自信作品と呼べよう。
カナダ人の食生活

カナダ人の食生活をみると、一般的に朝食と昼食は意外と簡単で、夕食に力が入る。 朝食で子供にはシリアルが人気者、種類も豊富である。ベーグル、トースト、ワッフルなどが定番。 出勤途中のカフェやファストフード店で朝食をすませる人も多い。店に入らなくても歩きながら食べる姿もみられる。昼食の場合もサンドイッチやホットドッグなどで済ませる人が多くみられる。
夕食の場合も、ビーフ、ポーク、チキンなどの肉類とポテトやサラダ、スープなどを楽しむ人が多い。またファミリーレストランやカフェなどで経済的にすませる人もみられる。
カナダの家庭料理

家庭料理にはビーフ、ポーク、チキンの肉料理にポテト(マッシュ、フライド、ベークド)と野菜とスープがつく。これにパン又はライスが基本的なメニューとなる。パスタ、ハンバーガー、ピザなども極めてポピュラー。多くの家庭では週1〜2回外食を楽しんでいる。外食といっても豪華なものとは限らず、食事の内容よりも会話を楽しむのがカナダ流。
代表的なカナダの食材

十数回の訪加チームに参加して人気食材とメニューを研究したが、次のアイテムは興味深い。
・水産物:サーモン、ずわい蟹、甘エビ、オイスター(生がき)など
・食肉:豚ロース、牛肉、鶏肉、シビエ
・特産品:メープルシロップ、ワイルドライスなど
食事のメニューでは、グリルド・ビーフ、アルバータ・ビーフが有名。スチームドクラブ、蟹の丸蒸しなど、チキンのメープルシロップ照り焼き、メープルシロップに漬けて焼く。ロウオイスター(生がき)などとなる。
また一般の食材をみると内陸部のアルバータやサスカチュワン州では牛肉が有名である。どの都市でも入手ができる。また、オンタリオとケベック州は酪農が盛んで、両州で国内の酪農製品は70%も占められている。
しかし食材面では日本にはあまりみられないものも多く、ワイルドライス(野生の米)を始め、オマール(大エビは大西洋岸に多く、1メートルをこえ体重9キロに達する)は何れも逸品である。
また農産物でみればカナダ産のポテトは甘味が強くホクホクし、中がホワッとして美味、ほうれん草もアッサリとしてサラダによく合う。これらは大自然の恵みであり、料理好きの人にとってはたまらない環境である。
さいごに
大都市にみるレストランはフランス風グルメや本格的な中華料理、日本料理も人気を呼んでいる。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。