清田ダイアリー KIYOTA DIARY
インドネシアの味
スパイスの効いたエスニック料理
2019年08月01日
赤道直下に位置し、熱帯気候であるインドネシア。味もスパイシーなものが多く、どれも個性的な味わいにて美味。今回はそんなインドネシアの代表的な料理と食材を紹介する。
インドネシアについて
インドネシアは大小3000以上の島々から成っている。人口は2億人に近く東南アジア第1の大国である。マレー系・インド系・中国系などの人々が住み、ジャワ人、スンダ人、バリ人といった種族は約300を数え、食べ物もそれぞれ異なる。90%の人々がイスラム系で豚肉を食べない。またバリ島はヒンズー教で牛肉を食べないなどの差はあるが、米を主食とする人々がほとんどである。
インドネシア料理
この国の料理を一言でいえば、スパイスの効いたスタミナ料理といえよう。野菜、果物、肉類に恵まれ、魚も鮮度が高くバラエティが多い。スパイスもこしょうクローブ、シナモン、ガーリック、コリアンダー、ナツメグ、ターメリック・ジンジャー、レモングラスなどの原産地で、これらにより味のハーモニーが生まれる。日常の食生活に欠かせないのがチャベ(とうがらし)・カンクン(ほうれん草)豆腐テンぺなど。そして味の中心となるのがサンバルソース、ココナッツミルク、ココナッツオイルである。またトラシとよぶ小えびの塩からもよく使う。
代表的なパダン料理
インドネシア料理を代表するのがスマトラ島のパダン料理である。価格も安く実力があるとして、エスニックブームの中で世界的に注目されている。アムステルダムに行けばインドネシア料理店のラッシュの中で人気度ナンバーワン。人気メニューを紹介すると、何れも庶民性が強い。
・ナシゴレン イントネシア風焼きめし
・ミーゴレン 塩味の焼きそば
・サテ 串焼豚・牛・羊肉などをピーナツソースで食べる
・ガドガド キャベツ・ポテト・豆腐・インゲンなどのサラダ。有名なガドカドドレッシングをかける。
・アヤム・ゴレン 鶏のから揚げ
・イカン・ゴレン 魚のから揚げ
・ソト・アヤム 鶏のスープ
・ルンダン 牛肉のココナッツミルク煮
・カレーアヤム 鶏肉の煮込み(パダン料理)
・グライカンピン 魚と肉のカレー風味煮
・ミーパソ あっさり味のラーメン
・ピサン・ゴレン バナナの天ぷら
・ププル・カチヤン・ヒジョ 青豆のしる粉
・テンペ 大豆の発酵製品で、27種の料理法がある。揚げたてをサラダにのせたり、ココナノツミルクで煮たりなど。
インドネシアのソース
インドネシアはソース天国で、サンバルソース、サンブランソース、ケチャップマニス、サテソースなどと多彩。この中でサンバルソースは最高の傑作で、とうがらしソースであるがタバスコよりも深い味で価格も安く利用範囲も広い。
サテソースもサテ(串焼き)に欠かせないソースで、粉末袋入り瓶入り缶詰などと形態もマチマチ。原料は落花生、唐辛子、エシャロット、にんにく、トラシ、タマリンド、塩、砂糖、植物油など。ポスト焼肉のタレと本命視されている。
ココナッツミルクについて
ココナッツミルクはココナッツの白い果肉を刻んで細かくする。果肉と同量の湯を入れ加速ミキサーでかきまわす。ココナツがドロッと繊維状の液体になるまで行い、裏ごししてミルクをとる。現地では生命の水として育児用は勿論、あらゆる料理やケーキ・デザートに利用される。
またココナッツは実をつけてから6ヶ月もすると果肉ができ始める。この時の果肉はゼリー状で最高に美味。また甘い果汁は天然のシューズとして乾いたのどをうるおす。そして堅くなった果肉をすりおろしココナツミルクを絞り出す。スープからデザートまで大活躍。
インドネシアでとれるフルーツ
そして熱帯産フルーツの天国である。安くて芳香があり美味である。アボカド、カラマンシー、グァバ、グヤハノ、ココナッツ、ゴレンシ、サポジラ、サントール、ジャンボラン、タマリンド、ドリアン、ナンカ、パッションフルーツ、パパイヤ、バンレイシ、パンの実、ビリンビ、レンフ、ベル、マンゴー、マンゴスチン、メロン、ランサ、ランブータン、レイシ、ロゼルほか。
価格は安く何れも超美味。バナナでも長さ30センチをこえる大きなものから小指位のモンキーバナナまで。何れも芳香甘味でファンをよびよせる。
バリ島の特徴
インドネシアの国教は回教であるがバリ島のみはヒンズー教で食生活は全く異なる。 バリ島の特徴として下記のようなものが挙げられる。
1 エデンの園にもたとえられ世俗が美しい
2 人々は内向的で生活は地味、宗教心が強い
3 食事をきれいに飾る習慣があり、原色が鮮やかで美しい
4 香辛料の鮮烈な色を好む。ジャワ島の甘味ある味は好まない など
5 回教と違って豚肉料理や酒を楽しむ
又、面積でみると最大の島スマトラは各種のスパイスに恵まれ、スパイスを西欧に送ったスパイスロードの基地にあたる。料理もアラビアとインドの影響を受けている。非常に辛いスパイスを多く産出している。アムステルダムに行けば全インドネシアの味が楽しめる。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。