清田産業株式会社

清田ダイアリー KIYOTA DIARY

食の植物化(4)-水産物、卵代替え製品

食にかかわるアメリカの業界情報

吉田隆夫
JTCインターナショナル社長 吉田隆夫

2019年05月01日

食の植物化(4)-水産物、卵代替え製品

 これまで「食の植物化」として肉代替え製品、乳代替え飲料、乳製品の代替え製品を紹介してきたが、今回は水産物と卵製品の代替え製品を紹介しよう。

水産物代替え製品

 水産物の代替え製品などは日本では考えられないが、アメリカやヨーロッパではヴィーガンの人のためや、自然保護の考えからシーフードも植物性タンパク質を使った代替え製品が作られて販売されている。

 ここからは水産物代替え製品を製造している会社とその商品を紹介する。

肉代替え製品を出すGardein社

 肉代替え製品を出すGardein社は”Fishless Filets”として魚の切り身代替え製品をフライしたものを、大豆タンパク、スターチを中心にして作り、健康志向の人のためにオメガ-3-脂肪も加えている。その他、カニ肉代替え製品“Crabless Cakes”も出している。

Gardein社のFishless Filets
画像引用元:Gardein公式サイト(https://www.gardein.com/)

シーフードの代替え製品を製造するSophie's Kitchen社

 Sophie's Kitchen社はシーフード代替え製品のみを製造している会社で、カニ、魚、エビ、ロブスター、サーモン、ツナ、貝柱などの代替え製品を出している。例えば、こんにゃく粉を中心にして作ったエビの代替え製品 ”Breaded Vegan Shrimp”、”Breaded Vegan Scallop”などを出している。

Sophie's Kitchen社のBreaded Vegan Shrimp
【Breaded Vegan Shrimp】画像引用元:Sophi's Kitchen公式サイト(https://www.sophieskitchen.com/)

Atlantic Natural Foods社のツナ代替え製品

 Atlantic Natural Foods社は”Loma Linda”ブランドで、水、大豆タンパク、イースト・エキス、マルトデキストリン、アラビアガム、ヒマワリ油、天然フレーバー、海塩、海藻、塩化カリを成分として作ったヴィーガン用のツナ代替え製品”Tuno”を出している。

Atlantic Natural Foods社の”Loma Linda”ブランド、Tuno
画像引用元:Loma Lindaブランドサイト(https://lomalindabrand.com/)

New Wave Foods社のレストラン向けエビ代替え製品

New Wave Foods社はレストラン向きにエビの代替え製品“Raw Shrimp”と“Crispy Shrimp”をミクロとマクロの藻類から作っている。こうした水産物代替え製品は結構売れているようである。

卵の代替え製品

 ここからは卵の代替え製品を製造している会社とその製品を紹介する。

Just社の卵代替え商品

 卵の代替え製品はヴィーガンやベジタリアン用にいくつかの製品が販売されている。投資資金を集めて事業を拡大しているJust社はマングビーン(緑豆)タンパクを使って”Just Egg”を出している。

Just Eggの卵アレルギー用卵液
画像引用元:Just Eggブランドサイト(https://www.ju.st/)

 さらにその卵代替え品を主成分として作られるマヨネーズの代替え製品やドレッシングをいくつか出している。

Earth Island Natural Foods 社の卵代替えマヨネーズ

 この会社は、”Follow Your Heart”のブランドで”Vegenaise”の卵を使わない植物性のマヨネーズ製品を出している。原料はカノーラ油、水、玄米シロップ、アップルサイダー酢、大豆たんぱく、海塩、粉末マスタード、濃縮レモンジュースである。

Follow Your Heart社の卵を使わないマヨネーズ
画像引用元:Follow Your Heartブランドサイト(https://followyourheart.com/)

 マヨネーズを“Best Foods”のブランドのマヨネーズを出している大手のUnilever社もヴィーガンのために卵フリーのマヨネーズ代替え製品も出している。

まとめ

 健康志向、環境問題への意識増加、フレキシタリアンの増加でこうした植物性の食品が増えていく傾向が続くであろう。

この記事を書いた方

吉田隆夫

この記事を書いた方

JTCインターナショナル社長吉田隆夫

アメリカのフロリダ大学の分子進化研究所で2年間研究、さらにシラキュース大学で後にノーベル賞受賞された根岸英一先生の教室で2年間有機金属化学を研究し、IFF社の研究所で約11年間香料の研究。その後、カーリンフード社(後にブンゲ社)に5年勤務、独立して食品産業のコンサルタントを30年以上続けている。アメリカ食品産業研究会、e-食安全研究会、クリエイティブ食品開発技術者協会を設立し、その活動をしている。

http://www.e-syoku-anzen.com/

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