清田産業株式会社

清田ダイアリー KIYOTA DIARY

「おいしい」、「食べたい」と感じるシズルワードの性別、年齢別の違いについて。

相手にささるシズルワードとは

渋沢文明
株式会社ビー・エム・エフティーディレクター 渋沢文明

2022年06月01日

「おいしい」、「食べたい」と感じるシズルワードの性別、年齢別の違いについて。

 食べた料理のおいしさを相手に伝える言葉、スーパーマーケットやコンビニの商品棚で手にとった商品パッケージにある言葉、食に関するSNSやテレビCMで流れる言葉など「おいしい」、「食べたい」と感じるシズルワードは身の回りに溢れています。
 弊社で継続的に行っている「おいしいを感じる言葉」調査では、シズルワードの色々な傾向がわかりますが、調査結果をセグメントした分析軸で見るとそれぞれの違いも解ります。シズルワードの表現分野である「味覚系」、「食感系」、「情報系」について、性別と年齢別に見た結果の一部をご紹介します。

味覚系:味覚や嗅覚に関わる言葉(うま味のある、コクのある、ダシの効いた、濃厚など)
食感系:触覚・聴覚に関わる言葉(もちもち、ジューシー、とろける、サクサクなど)
情報系:感覚でなく、知識や認知に関わる言葉(贅沢な、新鮮な、鮮度のよい、絶品など)

性別から見るシズルワードの違い

 ここでは「おいしいを感じる言葉」を性別でどのような違いがあるか見ていきます。

味覚系表現

 調査結果を男性、女性別に全体値との差で見たランキングの結果は次のものです。男性のトップ3は「キレのある」、「脂の乗った」、「こってり」ですが、女性は「クリーミー」、「ミルキーな」、「フルーティ」が高く、柔らかな言葉を男性よりも好んでいます。

 また、4位以降も「濃い味」、「脂っこい」、「塩辛い」など男性は濃さや強い味のシズルワードが目立ちますが、女性は「リッチな」、「みずみずしい」、「甘さ控えめ」などが好まれています。

食感系表現

 食感系表現の男性の上位3位は「ガツガツ」、「歯切れのよい」、「噛み心地のよい」、「しこしこ」ですが、女性は「とろーり」、「もちっと」、「もちもち」であり、男性は「歯ごたえ」の食感を好み、女性は「柔らかな」食感を好んでいることがうかがえます。男性は4位以降も「噛みごたえのある」、「歯ごたえのある」があり、女性に較べて「噛む」に関するワードがやや目立ちます。

情報系表現

 男性は「大盛り」、「丸焼き」、「がっつり」が上位3位です。女性は「季節限定」、「国産」、「摘みたて」というこだわりに関するものが高くなっています。

 男性は4位以降も「B級」、「ボリュームのある」、「食べ応えのある」など量に関するワードが続いていますが、女性は「もぎたて」、「無添加」、「旬」など自然や鮮度に関するものが続いています。

年齢で見るシズルワードの違い

 食べ物の好みは年齢による違いもあります。ここでは年齢でどのようなシズルワードの表現が好まれるのか見ていきます。

味覚系表現

 男性の10代は「しょっぱい」、「キレのある」、「塩辛い」に対して、女性は「甘い」、「甘口」、「ミルキーな」、「スイート」など甘いワードが好まれています。男性の20〜40代は「こってり」、「脂の乗った」、「濃厚な」、「濃い味」など味の強いものが高く、女性の20〜30代は「甘口」、「甘さ控えめ」が目立ち、40代では「フルーティ」、「リッチ」が高くなっています。

 男性の50〜60代は「後味のよい」、「ダシの効いた」、「ふくよかな」、「風味豊かな」、「芳醇な」など食にこなれたワードが高く、この傾向は女性の同じ年齢層でも同様な傾向がうかがえます。シズルワードでは「風味豊かな」、「深みのある」、「みずみずしい」、「芳しい」などです。

食感系表現

 男性の10〜20代の1位は「ガツガツ」です。また10代は「ガリガリ」、20代は「噛みごたえがある」が目立ちます。女性の10代は「ひんやり」、「ぶにっと」、「ギュッと」、20代は「ザクザク」、「ほろっと」、「しゅわしゅわ」が高くなっています。30代では男性は「さらっと」、「さらさら」が1位、2位であるのに対して女性は「もちっと」、「もっちり」です。40代は男女とも1位は「からっと」で共通していますが、2位は男性が「ドロドロ」、女性は「もっちり」です。50〜60代の男性は「しこしこ」、「のどごしのある」、「しっかりした」、「口当たりのよい」、「歯切れのよい」、「コシのある」など歯ごたえを感じさせるものが多いのに対して、女性は「とろける」、「口どけのよい」、「もちっと」、「ほっこり」、「ほっくり」など柔らかさを感じさせるものが目立ちます。

情報系表現

 男性の10代は「B級」、「大盛り」、「三ツ星」が高く、20代は「ぶっかけ」、「定番」、「あらぎり」です。30〜40代では「大盛り」、「がっつり」がともに1位、2位で働き盛りの食欲を思わせます。「大盛り」は50代でも1位で、次いで「熟成した」、「焼きたて」が高くなっています。

 女性の10〜40代は「体」に関するシズルワードが高く、10代では「低カロリー」、「カロリーゼロ」が上位にあり、20代は「体にやさしい」30代は「無添加」、40代は「産地直送」、「国産」などです。50〜60代は鮮度に関するものが高く、50代は「もぎたて」、「摘みたて」。60代は「鮮度のよい」、「新鮮な」が特徴的です。

Source:「おいしいを感じる言葉」Sizzle Word Report2021 N=1800
調査シズルワード:味覚系表現104語、食感系表現115語、情報系表現85語
お問い合わせ:shibusawa@bmft.co.jp
*図表の二次利用はお控え下さるようお願いします。

この記事を書いた方

渋沢文明

この記事を書いた方

株式会社ビー・エム・エフティーディレクター渋沢文明

弊社は「おいしそう」「食べたい」「飲みたい」と感じ、飲食欲を喚起する言葉を“シズルワード”と呼び、2003年から毎年調査を行いシズルワードの「今」を調べています。また、好きな風味や味・香りの『フレーバーテイスト調査』や、健康に関する食品・飲料・成分、食材・素材の「ヘルシーアイテム調査」も毎年行っています。

http://bmft.co.jp/

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