清田産業株式会社

清田ダイアリー KIYOTA DIARY

食の植物化(1)-肉代替え製品

食にかかわるアメリカの業界情報

吉田隆夫
JTCインターナショナル社長 吉田隆夫

2018年09月01日

食の植物化(1)-肉代替え製品

 最近アメリカでは肉代替え製品が多く出されている。こうした傾向を筆者は、「食の植物化」と呼んでいる。

フレキシタリアンの増加による食の植物化の広がり

 食の植物化はかなり前から起きていた。主に大豆タンパクを使った肉代替え製品や豆乳など肉や乳製品に代わる製品が出されていた。これらはベジタリアン(肉、魚介類、鶏肉は食べないが卵、乳製品のいずれか/または両方を食べる)や、ベーガン(ヴィーガン)(一切動物性のものを食べない完全な菜食主義の人達)や、乳製品に対してアレルギーの人あるいはラクトース不耐性の人達のために販売されていた。

 しかし、最近はその市場が広がってきている。それはフレキシタリアンという人たちが増えてきたからである。これは菜食主義のベジタリアンと、どちらでもいい優柔なという意味のフレックスを合わせた新語で、時々ベジタリアンの食事をする人という意味である。

フレキシタリアンの増加の理由①環境問題

 このフレキシタリアンは現在世界で拡大しているという。増えている理由は、環境問題と健康への意識が高まっているからである。牛肉、豚肉、鶏肉など動物タンパクをつくるには飼料としての穀類を家畜に与えなければならない。特にアメリカ畜産では穀物飼料を多く使うので、牛肉、豚肉、鶏肉1kgにつきそれぞれ、7kg、4kg、2kgの穀物飼料を必要とする。世界の人口増加に対して食料生産はますます追いつかなくなると言われている。

 特に動物タンパクへの需要は高まっているが、家畜を増やすことは温室効果ガスの増加、飼料作物を作る水、土地の使用増加など、環境に対しても悪い影響が考えられ、環境から考えると動物タンパクを植物タンパクに置き換えるという方が理にかなっている。これがフレキシタリアンになる一つの理由である。

フレキシタリアン増加の理由②健康への配慮

 もう一つの理由は、最近、肉製品の摂取が健康に悪いという研究結果などが発表されており、特に若いミレニアル世代を中心に肉離れが進んでいる。Innova社のデータでは世界で肉の摂取を少なくしている人は31%おり、アメリカの17-70歳の10人に6人は肉の摂取を減らしており、17%の人は全く肉を食べないとしている。

資産家からの注目も高まる食の植物化

 食の植物化は意外な人たちからも注目を浴びている。それはIT関係の事業で成功した資産家たちで、マイクロソフトを作ったビル・ゲイツ氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏などをはじめ多くの資産家たちが、植物タンパクで作った肉代替え製品を出す会社に投資をしている。

投資による肉代替え製品の市場拡大

 それだけでなく、最近では大手の肉会社であるTyson Foodsや大手食品会社が投資をしている。それだけ、将来の肉製品に代わる食品が注目されているということである。

Beyond Meat社

 そうした資金を得て伸びているのがBeyond Meat社で、ビル・ゲイツ氏、ツイッターの創始者のビズ・ストーン氏とエバン・ウイリアム氏、映画俳優のレオナルド・ディカプリオ氏、Tyson Foods社、さらに投資会社が資金を出し積極的なビジネスを行っている。この会社はできるだけ肉に近い味と食感をもつ肉代替え製品を作り、肉売り場に商品を並べ、肉を食べる人達にもアピールしている。

画像引用元:Beyond Meet公式サイト(https://www.beyondmeat.com/en-CA/)

 製品としては、”Beyond Beef”, ”Beyond Chicken”, ”Beyond Sausage”などを出している。スーパーマーケットだけでなく、2,000店以上のレストランにも出しており、最近には新しい工場を作り生産量を3倍に上げている。

Impossible Foods社

 Impossible Foods社は植物タンパクと植物へムを使ったバーガーのパテを現在製造しているが、その投資資金と借入金はベンチャーの食品会社としては驚異的な4億ドルにも達する。この会社もIT企業などで成功した人達や大手肉会社までが、将来の肉に代わる食品として投資をしているからである。

画像引用元:White Castle公式サイト(https://www.whitecastle.com/)

 現在、Impossible Foods社植物タンパクのハンバーガーのパテをWhite Castle、Umami Burgerなど全米の1,300のレストランに販売しており、最近ではカリフォルニア州にある工場の生産を2倍にしている。会社では、潤沢な資金を使い、世界のあらゆる動物タンパク市場の製品の代替え品を作り出してゆく考えである。

ハンバーガーショップ等でも導入が進む

 ハンバーガー・チェインのShake Shackは自社で6か月かけて開発したベジバーガーを一部の店のメニューに入れている。このハンバーガーは、黒豆、玄米、ローストしたビーツから作られており、トッピングには、プロボローネ・チーズ、レタス、トマト、オニオン、ピクルスがのっており、ベーガンのマスタードマヨネーズのソースがかかっている。値段はプレミアムのハンバーガーと同じ$7.29値段。

 このところフレキシタリアンが増えてきているために、レストランではベジ・バーガーをメニューに出しているところが増えてきている。McDonald'sでもフィンランドとスウェーデンで”McVegan”という野菜バーガーをテストしている。

 「食の植物化」は世界のこれからの重要なトレンドになって行くであろう。

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この記事を書いた方

吉田隆夫

この記事を書いた方

JTCインターナショナル社長吉田隆夫

アメリカのフロリダ大学の分子進化研究所で2年間研究、さらにシラキュース大学で後にノーベル賞受賞された根岸英一先生の教室で2年間有機金属化学を研究し、IFF社の研究所で約11年間香料の研究。その後、カーリンフード社(後にブンゲ社)に5年勤務、独立して食品産業のコンサルタントを30年以上続けている。アメリカ食品産業研究会、e-食安全研究会、クリエイティブ食品開発技術者協会を設立し、その活動をしている。

http://www.e-syoku-anzen.com/

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