清田ダイアリー KIYOTA DIARY
スーパーフードを使ったスナック製品
食にかかわるアメリカの業界情報
2019年09月01日
これまで 「食の植物化」について書いてきたが、健康志向で野菜、果物についての関心も高まっている。
最近スーパーフードという言葉がよく使われるが、栄養価の高い、ビタミン、ミネラル、機能性成分などが多く入っている食品をそのように呼ぶが特に定義はされていない。しかし、スーパーフードへの関心は健康志向の市場で注目されており、特にスーパーフードの野菜、果物を使った製品が増えてきている。
スーパーフードを使用したスナック製品の紹介
なかでもアメリカで最近食事の間のミニ食事として食べられているスナック製品でスーパーフードを使った製品が多く出されている。今回はそれらの例を紹介してみよう。
Rhythm社-ケールを使用したスナック

最近までスーパーフードのチャンピオンとしてケールは非常に注目された。ルテインや抗酸化ビタミンA、食物繊維が多く、カルシウムとともに骨に取り入れる役目をするビタミンKを多く含み、カルシウムの吸収が牛乳のカルシウムより効果的であると言われている。しかし、繊維質で硬いケールは食べにくい。それを乾燥しパリパリ感のあるチップスにしたものが、Rhythm社の”Kale Chips”である。
PepsiCo社-スイートポテトを使用したスナック

同様な製品も他社からいくつか出されている。ケールに変わって最近スーパーフードとして注目されているのがスイートポテトだ。スイートポテトにはビタミンA、ビタミンC、ベータカロチン、カリウム、葉酸、食物繊維、ビタミンB類、マンガンなどが豊富に含まれており、最も健康的な炭水化物食品といわれている。
スイートポテトを使ったチップス製品は最近多く出されているが、Hain Celestial社は”Terra Chips”ブランドで、南半球で1,000年以上も栽培されている伝統的な品種のスイートポテトをウエーブカットしたチップス製品にして出している。これは”Real Vegetable Chips”のシリーズの1つとして出しているもので、この会社は北米、南米で作られている伝統的な野菜の品種の種を保存するSeed Saver Exchangeという協会を支持している。

紫スイートポテトを使った”Real Vegetable Chips - Blues”もある。
Hardbite社-赤ビーツを使用したスナック

赤ビーツには食物繊維、葉酸、マンガン、カリウム、鉄、ビタミンCが多く含まれ、また硝酸塩が多く含まれるので、一酸化窒素を体内で生じ血流が良くなる。この赤ビーツをチップスにしたのが、Hardbite社の”Drop'n Mad Beets Chips”である。
Rhythm社-キャロット、ナッツ類等を使用したスナック

Rhythm社のベータカロチンを多く含む有機のキャロットだけで作った”Organic Carrot Sticks - Naked”には食物繊維も1食分で11gも含まれている。
Gourmetnut社-ナッツ類と乾燥フルーツのスナック

ナッツ類と乾燥フルーツを混ぜた”Power Up”は、ピーナッツ、レーズン、アーモンド、乾燥チェリー、カボチャの種、カシューナッツを混ぜた”Protein Packed”、乾燥クランベリー、乾燥マンゴ、アーモンド、クルミ、カボチャの種を混ぜた”Antioxidant Mix”、ピーナッツ、乾燥クランベリー、レーズン、アーモンドを混ぜた”Almond Cranberry Crunch”、乾燥クランベリー、レーズン、クルミ、ダーク・チョコレート、ペカン、乾燥ブルーベリーを混ぜた“Mega Omega”の4種類が楽しめる個食サイズ包装を入れた製品である。
スーパーフードと他の成分を混ぜたスナック
スーパーフードを使って他の成分を混ぜて成型したスナック製品も多い。
Hippie Snacks社-アボカド・チップス

アボカドは健康的なモノエン脂肪酸が多い油が多く含まれており、ビタミンE、ビタミンB2、食物繊維が豊富である。それで作ったパリパリのクラッカーのようなクリスプの”Avocado Crisps”は、アボカド、ココナッツ・ミルク、カボチャの種、酢、ひまわりの種、玄米粉、亜麻の種、タピオカスターチ、水、海塩、粉末マスタードが成分である。
Forager Projects社-トルティーア・チップス

Forager Projects社の”Just Greens”は、米粉、ヒヨコマメ粉、乾燥グリーンピーズ、ヒマワリ油、乾燥黒豆、乾燥紫スイートポテト、砂糖、海塩、乳酸カルシウム、塩、野菜ジュース(色素)、混合トコフェロール(抗酸化剤)が成分のトルティーア・チップスである。消費者はこうした色々なスーパーフードを使ったスナック製品を楽しんでいる。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
JTCインターナショナル社長吉田隆夫
アメリカのフロリダ大学の分子進化研究所で2年間研究、さらにシラキュース大学で後にノーベル賞受賞された根岸英一先生の教室で2年間有機金属化学を研究し、IFF社の研究所で約11年間香料の研究。その後、カーリンフード社(後にブンゲ社)に5年勤務、独立して食品産業のコンサルタントを30年以上続けている。アメリカ食品産業研究会、e-食安全研究会、クリエイティブ食品開発技術者協会を設立し、その活動をしている。
http://www.e-syoku-anzen.com/