清田ダイアリー KIYOTA DIARY
食の植物化(2)-乳代替え飲料
食にかかわるアメリカの業界情報
2019年01月01日
前回には「食の植物化」として肉代替え製品の動きを紹介した。今回は牛乳の代替え飲料を紹介しよう。
目次
広がる植物性ミルクの市場と種類
豆乳、アーモンドミルク、これらから作られるヨーグルトなどの植物性の牛乳代替え製品も「食の植物化」の動きの一つである。
中でも植物ベースの乳代替ミルク飲料は、米国で現在21億1,000万ドル規模になり、2012年と比べると61%の成長である。植物性ミルク市場シェアの内訳はアーモンドミルクが64%、大豆ミルクが13%、ココナッツミルクが12%だが、ライスミルク、ペカンミルク、キノアミルクといった新しい種類も増えて、植物性ミルク購入の選択肢が益々広がっている。
これはラクトース非耐性の人、乳製品へのアレルギーの人がいることや、環境問題、健康志向が強くなってきているためである。
最近の調査によると大人の58%が豆乳やアーモンドミルクのような植物性ミルクを飲んでおり、この市場は2020年には195億ドルに達すると予想されている。
乳製品を避けるようになった理由
乳製品を避ける人の理由としては、35%がラクトース非耐性であるとしており、26%の人が乳製品に感受性が高いあるいはアレルギーであるとしている。
さらに24%の人が成長ホルモンや抗生物質を避けるためとし、24%が飽和脂肪の摂取を減らすためとしている。しかしながら、この調査での63%の人は乳製品の味の方を好むとしている。
植物性ミルクの伸びは牛乳業界に大きな影響を与え、牛乳業界は、植物性ミルクの台頭を抑えようとして連邦議会に圧力をかけて、植物性ミルクにミルクの表示をできないようにする、The Dairy Pride Actという法案を提出している。
Blue Diamond 社のアーモンドミルク
アーモンドミルクで最もよく売れているのはBlue Diamond社が出している製品Almond Breezeである。
Califia Farms社のアーモンドミルク
他に伸びているのがCalifia Farms社のワインのカラフェの形をした容器に入れたアーモンドミルクである。
Elmhurst社の植物性ミルクの製品
Elmhurst社はこれまで80年間牛乳製品を出していた会社であるが、この工場を閉め、新しく植物性ミルクの製造を始めた。
ブランド名も”Elmhurst Milked”に変え、”Milked Almonds”、 ”Milked Hazelnuts”、”Milked Walnuts”、 ”Milked Cashews”の4種類のナッツからのミルク製品を出している。
自社で開発し特許を取ったナッツからのミルクの製造法を使い、増粘剤などの添加物は一切使っていない。容器も牛乳紙の容器トップの部分がピラミッド型にした変わった形の容器で販売している。
Oatly社の”OAT MILK”ブランドのオーツミルク
牛乳代替飲料としては、一昔前は豆乳がトップであったが、最近は上のアーモンドミルクがトップになっている。さらに最近ではオーツミルクがポピュラーになっており、第3の牛乳代替飲料として伸びている。Oatly社はオーツ麦を使ったオーツミルクやそれを使ってヨーグルトやアイスクリームの代替製品を多く出しており、世界でトップサプライヤーである。
その他の植物性ミルク
ここではその他の植物性ミルクを紹介する。
White Wave社の“So Delicious”ブランドのココナッツミルク
Imagine Food社の”Rice Dream”ブランドのライスミルク
”MOOALA”ブランドのバナナミルク
最近ではバナナを使ったバナナミルクも出されている。今後も植物性ミルク市場には新製品が多く出され、その売上は伸びると予想されている。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
JTCインターナショナル社長吉田隆夫
アメリカのフロリダ大学の分子進化研究所で2年間研究、さらにシラキュース大学で後にノーベル賞受賞された根岸英一先生の教室で2年間有機金属化学を研究し、IFF社の研究所で約11年間香料の研究。その後、カーリンフード社(後にブンゲ社)に5年勤務、独立して食品産業のコンサルタントを30年以上続けている。アメリカ食品産業研究会、e-食安全研究会、クリエイティブ食品開発技術者協会を設立し、その活動をしている。
http://www.e-syoku-anzen.com/