清田産業株式会社

清田ダイアリー KIYOTA DIARY

フレーバーテイストの動向

好きな風味・素材調査

渋沢文明
株式会社ビー・エム・エフティーディレクター 渋沢文明

2023年03月27日

フレーバーテイストの動向

  弊社ではスナック菓子や清涼飲料の風味や、料理の味付けの調味料などを“フレーバーテイスト”と呼んで、どのようなフレーバーテイストが好まれているかについての調査を全国の一般男女を対象者に2006年から継続的に行っています。
 調査を行っている分野はフルーツや野菜に関する「フルーツ野菜系」、チョコレートやカスタードなどの「洋風系」、そして抹茶やわさびなどの「和・エスニック系」の3分野です。今回は、2018年から2022年にかけて上位20位の好みのフレーバー変化を短期時系列中心にご紹介します。

好きな風味・素材調査の調査分野

<フルーツ・野菜系>

「シャインマスカット」と「マスカット」が順位アップ。

 2022年の調査結果は「フルーツ・野菜系」の1位は「いちご」でした。次いで2位は「シャインマスカット」、3位は「マスカット」、4位は「巨峰」、5位は「桃」、6位は「白桃」の順となっています。上位を大きく括ると「いちご」と「シャインマスカット」、「巨峰」の『ぶどう系』と「桃」となり、この3つがトップ3といえます。続いての順位は「リンゴ」、「オレンジ」、「パイナップル」、「みかん」となっています。

 時系列で見ると「シャインマスカット」は2019年の14位から2022年は2位と大きく順位を上げています。また「マスカット」も2019年の9位から2022年は3位となっています。「みかん」は2019年の3位でしたが、2022年は11位になり順位を下げています。

 2018年から2021年まで1位と2位は「いちご」か「桃」でしたが2022年に「桃」は「シャインマスカット」、「マスカット」、「巨峰」の『ぶどう系』が「桃」や、「白桃」と入れ替わっています。

フルーツ・野菜系の好きな風味・素材の動向

<洋風系>

「バニラ」がトップを維持。「キャラメル」、「モッツァレラチーズ」にも注目。

 2018年から2022年まで1位と2位は変化がなく、1位は「バニラ」、2位は「生クリーム」でした。2018年から2021年まで4位だった「ミルクチョコレート」は2022年は3位になっています。『チョコ・ココア系』では2022年は6位に「チョコクリーム」、8位に「ココア」、13位に「ビターチョコレート」、17位に「ホワイトチョコレート」が入っています。

 「キャラメル」は2019年の14位から2022年は4位と順位を上げています。また、「モッツァレラチーズ」は2019年には22位でしたが、2022年は9位と順位を上げています。その他の『チーズ系』では12位に「クリームチーズ」、20位に「カマンベールチーズ」が入っています。

 2022年には2位の「生クリーム」以外にクリームがついたアイテムが3つあります。6位の「チョコクリーム」、12位の「クリームチーズ」、18位の「キャラメルクリーム」です。「ココア」と「カフェオレ」は2021年と較べて2022年はややランクを下げています。

洋風系の好きな風味・素材の動向

<和・エスニック系>

カレーは順位を上げ2022年にトップ、明太子が2位。

 「カレー」は2018年に8位でしたが徐々に順位を上げ、2022年は1位になりました。また、「明太子」は2019年は12位でしたが2022年には2位になっています。その他に2022年に順位を上げたアイテムは「ごま油」、「にんにく」、「海苔」があります。

 2018年から順位を下げているのは「つぶあん」、「緑茶」、「黒ゴマ」であり、「つぶあん」は2018年の4位から2022年は14位と順位を下げています。

 「黒ゴマ」は2018年は15位でしたが、2021年には順位を下げています。

和・エスニック系の好きな風味・素材の動向

<フルーツ・野菜系の特徴>

品種名が好まれる「ぶどう」と「いちご」。

 好きな風味・素材調査の調査アイテムでは「ぶどう」のようにカテゴリーを表す普通名詞を原則として使用していますが、「シャインマスカット」のように品種名の認知がカテゴリー名から自立して広がっている品種名も調べています。2022年の調査結果では「品種名」が普通名詞を上回って広がっているのが『ぶどう系』と『いちご系』です。

 『ぶどう系』の場合、「ぶどう」や「白ぶどう」よりも「シャインマスカット」、「巨峰」、「マスカット」という品種名が高くなっています。

 『いちご系』では「いちご」がトップですが「あまおう」が2位で「いちご」に迫り、次いで「とちおとめ」、「紅ほっぺ」の品種名が続いています。

フルーツ・野菜系の品種名の動向

*Source:「好きな風味・素材調査」2018年~2022年調査結果より。2018年から2022年まで全年度で使用されたアイテム、219語がランキング比較の対象(フルーツ・野菜71語、洋風系67語、和・エスニック系81語)
対象者は15-59歳の男女(2018-2019年:N=1000、2021-2022年:N=1500)
この調査に関するお問い合わせはshibusawa@bmft.co.jpへお願いします。図表の二次利用はお控え下さい。

この記事を書いた方

渋沢文明

この記事を書いた方

株式会社ビー・エム・エフティーディレクター渋沢文明

弊社は「おいしそう」「食べたい」「飲みたい」と感じ、飲食欲を喚起する言葉を“シズルワード”と呼び、2003年から毎年調査を行いシズルワードの「今」を調べています。また、好きな風味や味・香りの『フレーバーテイスト調査』や、健康に関する食品・飲料・成分、食材・素材の「ヘルシーアイテム調査」も毎年行っています。

http://bmft.co.jp/

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