清田ダイアリー KIYOTA DIARY
新しいフルーツ
近年見られるようになった、珍しいトロピカルフルーツ
2017年07月01日
最近、一段と目新しいフルーツが出回ってきた。トロピカルフルーツのマンゴー・マンゴスチン・ランブータンほかなどは店頭でよく目にする身近な存在となってきた。
近年では、南アメリカや熱帯アメリカを原産とする新しいフルーツを見かけることも増えた。今回はそれらのフルーツを紹介する。
熱帯地方の珍しいフルーツ
熱帯地方にはまだまだ珍しい果物も存在するものの植物防疫のため輸入できない品目が多くみられる。
南米アンデス山脈の3,000メートル級の地帯にはコロンビア・エクアドル・ペルーなどが接している。高地であるが、土壌が豊かで、農業も盛んである。この地域はトマトやシャガイモの原産地で知られるが、ペピーノ・タマリロ・ババコウなどの原産地でもある。

またサポジラ・グァバ・カクタスリーフの原産国は熱帯アメリカであり、フェイジョアはブラジル南部の熱帯から亜熱帯にかけてが原産国である。これらのフルーツは原産国から直接輸入するより、国産化が成功しているものもみられる。
この中で代表的な珍果とその食べ方を紹介する。
ペピーノ
スペイン語でキュウリの意味。スペイン兵が南米侵略で初めてこのフルーツを食べた時キュウリの味がしたために名付けられた。外観は鶏卵のような形で長さ10~15センチ、直径は7~8センチ、重さは2~300グラムにもなる果物である。

熟すにつれて外観の色は淡緑色から黄色に変わり、さらに縦に紫色の線が加わり糖度を増やす。メロンのように果汁が多く、熟すと芳香を放ち、甘くてサッパリの味となる。
現在ではニュージーランド産のものが多くなってきたが、現地では風味はメロン、味は洋ナシとイチゴを合わせたものと自慢する。冷やして2つに割りスプーンで食べる。日本の風土とよく合い国産化に成功。家庭菜園などで広く普及しつつある。
ババコウ
パパイヤに似た木で、英語ではマウンテン・パパイヤとよぶ。オクラを巨大化した形で輪切りにすると星形になるのでスターパパイヤの別名もある。果実は緑色で長さ30センチ、直径は10センチほど。重量は2キロ前後。果肉はアッサリ、独特の芳香がある。
パパイン酵素を持ち肉食後の消化を助ける。完熟した果肉をジュースにすると上品な飲み物となる。ジャムに利用してもよく、シャーベットやアイスクリームにも楽しまれる。
タマリロ

日本名はきだちトマト。果実は直径3~4センチ、長さ7~8センチのやや紡錘形。熟していない実は緑色、熟すにつれ赤くなる。サラダによくジャムにも向く。生食の時は冷やした方が味がよい。現在はニュージーランド産が主流である。
カクタスリーフ
日本名でウチワサボテンとも呼ばれる。この平たいうちわ状の葉や茎、実が食される。

葉の部分、カクタスリーフはメキシコ人にとって必需品で、料理の種類は数十種。塩茹でにし細かく切ってピクルスにする。サラダや炒め物にしてよく、和風料理ではきんぴらや和え物に向く。

実の部分、カクタスペアは小ぶりのレモン程度の大きさで、果肉には小さく硬い種子が多く含まれる。日本でもサンカクサボテンの果実、ドラゴンフルーツ(ピタヤ)は国産化され、スーパーなどでもよく見かける。 スイカと柿を合わせたような味がする。ジュース・ジャムなどに利用。
フェイジョア

ウルグアイ・ブラジル南部で産出される。味と香りが良いフルーツ。グァバの仲間でビタミンCが非常に多い。果実は5センチぐらいの鶏卵形。
5月ごろリンゴに似た美しいピンク色の花をつけ、花期は1ヶ月と長い。ヨーロッパでも人気の果実で、パイナップルに似て香りは高く、味はやパイナップル、バナナをミックスしたような味。
サポジラ
日本ではチューインガムの木と呼ばれ、20メートルをこえる巨木となる。

樹皮に傷をつけて、出てくるゴム質(チクル)がチューイング・ガムの原料となる。この果実がサポジラで、茶褐色で馬鈴薯に似ており卵形で大きさは5センチ程度。断面は柿に似ている。酸味はなく非常に甘みが強い。生食についでシャーベットなどにされるが、中国ではジュースにして楽しまれる。
グヤバノ

中南米からラテン・アメリカにかけてが原産地。英語ではサワーソップと呼ぶ。果実は大きく40センチにも達する。果肉は水分が多くパイナップルやマンゴーに似た香りで、果汁は爽やかな風味で欧米人の好みの味。
通年流通し生食が最高でピューレやジュースに人気、サラダやジャムにも加工されている。
最後に
南米や熱帯アメリカを原産地にする果物は多く、チェリモヤ・グァバ・フィサリス(食用ホオズキ)ほかと種類は極めて多く、フィサリスは味・色・香りも良く、国内での栽培も進んでいる。

新しいフルーツは新しさを求める心を満たし商品開発の意欲を高める。要大研究である。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。