清田ダイアリー KIYOTA DIARY
ベトナムに注目
ベトナム料理と特徴的な調味料
2019年03月01日
ベトナムの食事は安価、何れも美味でバラエティ豊かである。今回はそんなベトナム料理について紹介する。
ベトナムについて
ベトナムは急成長を続けている。豊かな農・水産物に恵まれ、加工食品技術も一段と向上した。緑茶・紅茶・コーヒーも量産され対日輸出されている。米(3回とれる)をはじめトウモロコシ・サトウキビ・サツマイモ・小麦や高原野菜・筍(メンマ)・漆(対日輸出98%)ほか、豊饒な大地の恵みを糧に成長を続けている。

その他石油・石油ガス・鉄・錫・亜鉛・憐鉱石・クローム・ボーキサイト・マンガン・銅・無煙炭ほかが多産される資源国でもある。あまりにも資源や産物に恵まれているため、フランス・アメリカ日本などが一時的に領有した。介入した理由はここにある。
ベトナム人の特質として、手先が器用、礼儀が正しく、よく働き、教育も普及している。また長い間の侵略で戦闘精神も強い。現在では人口もおよそ9,900万人と急増し、豊かな国と変わってきた。
ベトナム料理の特徴
ベトナム料理は中国とフランスの影響をうけ美味なのも当然の事と言えよう。特性は以下の通り。

- 食事に箸を使って食べる
- 材料はゆでたものが多くヘルシー
- 海に面しているため、エビ・カニ・魚を使った料理が多い
- 魚醤とココナッツをよく使用する
- 他の東南アジア料理より香辛料は控え目
- トロピカルフルーツは常時出回る
- 価格は驚くほど安い
調理方法の特徴
一般的に脂肪の少ない料理が多く、ヘルシーである。ラードなど使用する事はない。材料をゆでてから調理するものが多い。中国料理のように油で炒めたり、揚げたりするものは少ない。
メインとなる魚介料理

魚は主要なタンパク源で、魚を使った料理は多い。特にエビ・カニを巧みに使用。ヌクマム(ナンプラー)は魚醤の事であるが、あらゆる料理に広く使われ味の決め手となる。
香辛料の使い方の特徴

香辛料の使い方は他の東南アジア諸国より控え目。香菜(ザウムイ)・ミント(バクハー)・シソ(ティアトー)ネギ(ハインラー)などを使用。
ベトナムの代表的な料理
ベトナム人は、中国人は動物脂肪の使いすぎ、日本人は味よりも見た目に力の入れすぎ、タイ人は香辛料の使いすぎ、インドネシア人は回教のため使う肉に制限があり、マレー人は調理の初めから香辛料を多用し持ち味が生かされていない…などと各国を評し、世界一うまいのはべトナム料理と自賛する。この美味なメニューの一部を紹介する。
スープの部
数十種ありボリュームは満点。

・カインチュア…トマトの酸味が生き美味
・スップ・マン・タイ・クア…アスパラガスとカニ
・カイン・ザウ・ムオン…空芯菜のスープ
・ラウ・タップ・カム…エビ・魚・茸のスープ
前菜の部
前菜とサラダの種類は多い。

・トムサラダ…エビが多いのでビックリ
・チャーゾー…定番。春巻きの人気者
・チャーカー…ベトナム風さつまあげ
・ゴイカー…魚のサラダ
シーフードの部
エビとカニは安くて豊富。

・トム・ヌオン・フォーマイ...巨大なロブスターのチーズ焼き
・トム・ラン・ボッ…エビフライ。衣は米粉
・カー・ヌオン…スズキのグリル。シンプルな味
・ゲー・ハップ…ワタリガニの蒸し物。美味
肉料理の部
肉のバラエティは多く美味。

・ナイヌオン…鹿肉のバーベキュー
・ジオルア…豚肉のソーセージ
・コン・ガーヌオン…チキンの丸焼きバジル味
・ボーホー...ビーフシチュー
安くて美味逸品ぞろいである。料理のバラエティは4,000種を超え、何れもへルシーで世界のトップクラスと呼べよう。
その他
日本でもよく知られているものとして次のものがある。

・バインセオ…ベトナム風お好み焼き
・フォーボー…牛肉入り米うどん。庶民の味
・ミエン・ガー…鶏肉と春雨のスープ
ベトナムの代表的なフルーツ
また、ベトナムは魅惑の南国フルーツが豊富。

・マンクッ…マンゴスチン
・チョムチョム…ランプータン
・ミッ…ジャックフルーツ
・タンロン…ドラゴンフルーツ
しかし珍果のヴースア(ミルクフルーツ/スターアップル)は、リンゴ状であるが、上部を切ると爽やかな甘味で乳が出てくる美味果実。一個20〜30円であるがホーチミン市付近のみの特産物で絶品の味。
ベトナムのビール

またサイゴンビールは苦味も少なく美味で世界のトップクラスのハイネケンにも匹敵するが国民全般は大酒を飲む人はいない。
ベトナムの味を引き出す調味料
ベトナムはまさに食の天国である。価格は安く何れも美味、しかもバラエティが多い。そして味の秘訣はヌクマムにあると言えよう。ヌクマムとは魚を塩漬けにした時に出る上澄みである。初めは一寸ばかり抵抗感があるが慣れてくると病みつきになる。
この原料は鰯の仲間のカーコムやカーヌックとよばれる小魚で、これを3ヶ月ほど寝かせて醗酵させた魚醤である。日本にもみられるが香川県のイカナゴ醤油や石川県のイシルと全く同じである。ベトナムではこのヌクマムは日常の料理に欠かせない調味料として必需品であるが世界の調味料ともよばれている。
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この記事を書いた方
この記事を書いた方
食品評論家太木光一
1947年早稲田大学商学部卒業。同年昭和産業に入社し、一貫して調査業務に携わる。調査部長を経て1979年に退社するが、在社当時から食品と食品産業について新聞・雑誌に健筆をふるい、食品産業評論家として活躍する。通産省中小企業振興事業団の需要動向委員のほか多くの政府委員を歴任するとともに食品メーカー、問屋、高級食料・食品店の顧問にも就いていた。海外視察は280回以上に上る。主な著書は「日本の食品工業」(共著)、「新・一般食品入門」、「惣菜食品の強化技術」、「食材の基礎知識」など多数。